皆さんも何度も受けたことのある予防接種。
この冬にはインフルエンザの予防接種などを受けた方も多いのではないかと思います。
そんな予防接種のミスが、2015年度で過去最多の6168件あったと厚生労働省が発表しました。
一歩間違えれば重症化の危険性もあるミス。なぜこんなに多くのミスが出てしまったのでしょうか?
1.件数の推移は?ミスの内容は?
予防接種のミスの件数ですが、2013年度は4596件、2014年度は5685件と年々増加の一途をたどっています。
そしてミスの内訳ですが、
・1回目の接種~2回目の接種に空けるべき「接種間隔の誤認」が2991件
・「接種回数の誤認」が925件
・「期限切れワクチンの使用」が671件
・「対象者の誤認」が487件
・使用済みの注射針の再使用や、医師が誤って自分に針を刺した後、その針で子どもに接種するなど、血液感染の危険がある事例が8件
となっています。
いずれも重篤な健康被害が出る可能性のある過誤ですが、重大な健康被害はこれまでに報告されていないとのことです。
2.なぜこんなにミスが多い?
主な原因として、接種するワクチンの種類が多くかつ人によって接種回数や接種間隔が異なっており、対応しなければならないケースが多岐にわたるから、ということが挙げられます。
日々の多忙な業務に加えて、予防接種の時期になると接種したいという人が急に増えますから、それだけでスケジュール管理や確認が大変になり、結果として間違いが起きてしまうということなのでしょう。
誰々に何回の注射を何日の間隔をあけて打つ、という沢山のケースを完璧に覚えることは医師でも困難を極めます。
ゆえに確認作業で漏れが出てきてしまうのです。
人がやっている仕事ですからミスを完全になくすことは難しいのかもしれません。
しかしこの予防接種のミスというのは下手をすれば重篤化、死亡に至る可能性もありますから、より一層の確認の充実を図っていく必要があります。
3.患者側の確認も大事
患者側にもできることはあります。
医者に任せておけば大丈夫、と思考停止するのではなく、「私(または子供)は何回、いつ受けるのか、次に受けるまでにどのくらいの期間が必要なのか」ということを自分で聞いて確認するということをしても全然いいのです。
医師が間違っていても、自分の側でいつ受けたとか、細かい情報を書き留めておくだけでもミスの可能性は減らせます。
接種前の診断で聞いてみてあらかじめ確認してみる、という気持ちで臨みましょう。