病気を未然に防いでくれるワクチン。
せっかく高いお金を払って痛い思いをするのだから、なるべく効果が出てほしいですよね。
そんなワクチンが、実は午前中に投与した方が効果的なのではないかというデータが発表されました。
発表したのは大阪大学の免疫フロンティア研究センターという機関です。
いったいどうして午前中の方が効果的なのでしょう?
今回はワクチンと投与時間帯についてみていきましょう。
1.ワクチンは午前中の投与が吉!?
阪大の研究チームによれば、「交感神経による免疫応答の日内変動を発見した」とのこと。
わかりやすくいうと、ワクチン接種によって抗体を作り出す免疫反応が強くなる時間帯があり、人間は午前中にワクチンを接種することでワクチンの予防効果を最大限に引き出せる、ということなのだそうです。
2.交感神経との関係
「交感神経による~」とありますが、なぜ交感神経が関係してくるのでしょう。
そもそも交感神経とは、「活動しているとき・緊張しているとき・ストレスを感じているとき」にはたらく神経のことです。
この交感神経が活発にはたらいている時間帯には免疫細胞の量も多くなる、というのが実験より判明しました。
実験ではマウスにワクチンを投与し、免疫細胞が細菌などに対抗する際に出す抗体の濃度を調べました。
マウスの交感神経が最も活発になるのが深夜1時ごろ。
ワクチン投与から5週間経過後のマウスを調べると、深夜1時に打ったときの抗体濃度が、昼の1時に打ったときの抗体濃度の約4倍になったのです。
このことから、交感神経が活発なときに分泌される神経伝達物質のはたらきが、免疫反応を活発に促すのではないかという可能性が発見されました。
人間の交感神経は午前中に最も活発化します。
ゆえに午前中のワクチン投与が効果的、ということになるわけなのです。
普段はワクチンが効きにくいと感じている人でも、午前中にワクチン接種をすることで効くようになるかもしれません。
今後ワクチンを打つときはなるべく午前中に打つようにするとよいでしょう。