多くの人が悩まされ続けている「がん」。
その中でも近年、大腸がんにかかる人が急増しているのだそうです。
30年間で約5倍の件数となるほどの増加率になってしまったとのこと。
性別、部位別のランキングで見ても、男性は肺がん、胃がんに次いで第3位の死亡件数の多さとなっていますし、女性は肺がんに次いで第2位の死亡件数の多さです。
加えて早期発見が困難なため、大腸がんは恐れられています。
この大腸がんにどうやって立ち向かっていけばよいのでしょうか?
1.初期の大腸がんには自覚症状なし
これは非常に怖いことです。
がんに気づいたらステージがかなり進んでいて、場合によってはもう末期、という可能性が高いのです。
大腸がんは、がん細胞が粘膜を越えて大腸の壁の外側に向かって拡大するにつれて、症状が現れるようになります。
具体的には血便が出る、下痢と便秘を繰り返す、お腹にしこりがある、腹痛が続く、貧血や嘔吐、急激な体重減少などの症状です。
ですから、いつもとちょっと違うなと感じたら迷わずに病院で検査してもらうことが早期発見のカギとなります。
2.原因と対策
大腸ガンの原因の一つとして考えられているのが「食生活の欧米化」です。
アメリカでは大腸がんの件数がとても多いのです。
というのも、アメリカの食事では炭水化物よりも脂肪分を多く摂取するメニューが一般的ですが、実はその脂肪分が大腸がんの発症に深く関わっていると見られています。
摂取した脂肪分というのは、肝臓から十二指腸へ分泌される胆汁によって細かく分解された後吸収されます。
大量の脂肪分を摂取してしまうと、分泌される胆汁の量も増えます。
本来、胆汁のほとんどは小腸末端で吸収され大腸には到達しないのですが、胆汁の分泌量が増えると小腸がそれを吸収しきれずに、大腸まで達してしまいます。
胆汁が大腸内で発酵して作られる胆汁酸には、発がん促進作用があると判明しています。
つまり、脂肪分の取りすぎが大腸ガンに繋がっているのです。
ゆえに、脂肪分を控えた食事を心がけることが大腸がんの対策になるのです。
3.飲酒・喫煙も控える
食べ物に気を付けるだけでなく、お酒やタバコにも気を付ける必要があります。
お酒に含まれるエタノールは分解されるとアセトアルデヒドに変わります。
これががんの発生に繋がると考えられています。
さらに、アセトアルデヒドが分解されると出る活性酸素により、細胞の中のDNAを作るのに必要な葉酸が破壊されます。
そのせいでDNAの合成や傷ついたDNAの修復がうまく行かず、がんになるという可能性もあります。
またタバコに関してはいわずもがな、多くの発がん性物質が含まれます。
煙が触れる喉、気管、肺はもちろんのこと、直接触れない大腸の粘膜にまで発がん性物質が及ぶ可能性もあります。
ですから、これらのものもほどほどにしておく必要があるでしょう。