昨今、地震や台風などの震災の影響で、大病院や個人クリニックが正常に運営できない状態に置かれるケースも見られます。
大病院では防災マニュアルが用意されており、一人ひとりが防災対策をしっかり考え、訓練も日常的に行われているでしょう。
しかし、個人クリニックにおいては、実際にどのような備えが必要か曖昧だという人も少なからずいるかもしれません。
そこで、ここぞという時に備える、クリニックの防災対策についてご紹介します。
簡易の防災マニュアルを作り、スタッフと共有する
ニュースやテレビで被災した様子を見ることと、実際に被災してしまった場合の恐怖はまったく別物です。
防災マニュアルがあったとしても動揺してしまう人もいるので、防災マニュアルすらない状態ではどうなるかというのを考えることは難しくありません。
被災した際、パニックに陥ることで身を危険にさらすと言われているので、なるべく冷静でいる必要があります。
そこで、簡易のもので構わないので、防災マニュアルを作り、それをスタッフと共有しておき、有事に備えておきましょう。
マニュアルの内容の一例は、以下のような項目です。
・スタッフや患者さんの安否確認
・被害状況の確認
・避難経路・避難先の確保
このような内容を盛り込むことで、スタッフがまず何をするべきかを判断することができます。
時には臨機応変に対応することも必要ですが、全員がバラバラに行動してしまうと、却って危険な状況に繋がりかねません。
なるべく全員が同じ方向を向いて対応できるようにしておきましょう。
備蓄品の確認
一般家庭でも備蓄品を用意しているケースが増えてきていますが、クリニックでも用意しておくと良いでしょう。
備蓄品は、飲料水、食料品、簡易トイレ、トイレットペーパーなどの日用品はもちろん、簡単な手当てをできるように、滅菌済みピンセットや消毒用綿棒、医薬品類などを用意します。
1週間分を目安にしておくと、荷物が多くて動きにくくなるといった弊害を取り除くことができるでしょう。
医療道具は多岐に渡りますが、インフラが整っていない状態では正常に使うことができないものもあります。
そのため、少数精鋭というイメージで、簡単な手当てや応急処置ができるような物を持ち出すようにすると良いかもしれません。
まとめ
防災対策は過去の震災を元に考えることで、より具体的なマニュアルを作ったり、備蓄品を用意したりすることができます。
しかし、震災後はイレギュラーが付き物です。マニュアル厳守ではなく、臨機応変に対応できるような心構えも必要になってくるでしょう。