医師として能力を高めるため、またキャリアアップのため、海外で働くことを視野に入れることもあるでしょう。
日本の医師免許で海外でも働けるか?どのような免許が必要なのかについて見ていきましょう。
海外の医師免許が必要!?
海外で医師として働く為には、基本的には日本の医師免許だけでは働けません。
働きたい国の医師免許が必要となります。
例えば、英語圏で働くイメージがしやすいアメリカの場合、日本人は、現地の医師免許の取得をしてから働くことになります。
医師免許を取得するには、いくつかの段階が必要で、アメリカでの臨床研修も必要となります。
アメリカ・カナダの医師免許は州ごとに資格試験及び審査が行われるため、勤務を希望する州の試験を突破する必要がある上に、州によっては外国人が医師免許を取得するのを制限している州もあるので、事前に確認する必要があります。
同じ英語圏でもイギリスでは語学試験での成績も求められる「PLAB」という試験に合格することが必要なのですが、難易度が高い分、医師登録ができれば永住権を取得するのが優遇されるのでこの点はポイントになります。
日本人医師が働くことを許していない国
医師免許を取得すれば働ける国がある一方で、原則として日本人医師の診療や臨床研究を認めてない国もあります。
例えば、フランスやドイツが上げられます。
特にフランスでは研究以外では原則的に医師として働くことが難しいので、どうしてもフランスで医師として働きたい場合は研究の方で採用してもらえるほどに研究の実績を積むことが必要です。
一方ドイツでは雇用情勢が好調な場合においては最長5年にはなりますが、臨床研究が可能なので、雇用情勢をまめにチェックするといいでしょう。
日本の医師免許だけで海外で活動をするには
ポランティアの団体にはなりますが、【国境なき医師団】では、赴任する国の政府から許しがでれば、海外の医師免許がなくても医師として働くことができます。
また災害で被災した国に派遣されて医療活動をする、JICA国際緊急救助隊医療チームも日本の医師免許だけで海外で医師の活動ができます。
日本の医師免許だけで海外での医師の経験を積めることや、発展途上国や被災地の支援という重要な役割を果たすこともできるのは医師として大きな経験となるでしょう。
海外で医師として働くことを検討しているのであれば、ボランティア団体も視野に入れてみるのも良いでしょう。