新専門医制度が一年延期に!2018年4月から、どうなる新制度!?

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日本専門医機構は昨年7月に行われた理事会において、19の基本診療領域の全てにつき「新専門医制度は2018年度を目途に一斉にスタートする」という方針を決めました。

これから専門医を目指す若手医師はもちろん、現行の制度で既に専門医の資格を取得している医師にまで影響があると言われています。

ところで、この新専門医制度とは何なのか、旧専門医制度はどのような内容なのでしょうか?

医師のキャリア形成にも関わる制度ですから、内容をある程度把握しておくことは重要です。

今回は、新専門医制度についてご紹介していきます。

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1.旧専門医制度と新専門医制度

これまでの旧専門医制度において、専門医となるためには各学会ごとの要件をクリアすることが必要でした。

例えば外科の専門医になるなら日本外科学会から、小児外科の専門医になるなら日本小児外科学科からといった具合に、各学会ごとに資格の管理がなされ、学会ごとに取得要件が決められていました。

一方、新専門医制度の下では「一般社団法人日本専門医機構」という機関が一括で専門医資格の管理を行います。

「中立的第三者機関が養成段階から評価・認定を行うことで、どの分野の専門医でも一定の診療の質を担保する」ことを目的としているそうです。

というのも、これまである学会では試験に合格しなければならないが、別の学会では一定の講習を受講さえすれば全員に資格が付与されるなど基準にばらつきがあって、そのために専門医の質にも差が出ているのではという意見があったからです。

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2.新専門医制度の問題点

基準が統一されたり、管理元が一元化することで効率化も図れます。

一見するとよい制度改正に見えますが、実は課題も多く残されています。

新制度では医師・診療科の偏在の是正を目的として、研修先の要件が変更されます。

専門医の養成を、これまでの病院単体ではなく「大学病院等の基幹病院と地域の協力病院等が病院群を構成して実施」することになります。

その基幹病院となるための要件があるのですが、大学病院や大規模な病院以外はその要件を充足することが難しいと考えられます。

なぜならば新制度では多くの症例数や手術経験数、高い活動実績が必要になるからです。

そうなると専門医になりたい多くの医師が症例や実績を求めて都市部や大学病院に集中し、結果的に地方の医師が減少するということが起こる可能性があります。

医師の偏在の是正を目的とした制度なのに全く逆の結果を招くかもしれないと懸念されているわけですね。

 

3.見直しのために1年延期

その他多くの懸念材料があるため、制度見直しということで新制度の施行は1年延期になりました。

「専門医制度専門委員会」の設置も決定し、引き続き議論が続けられています。

問題点もありますが、それらを真摯に議論し課題を解決して、本当に専門医を目指す医師の役に立つ制度になることを期待したいですね。

 

 

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