皆さんは何歳くらいまで生きたいですか?
「100歳まで、できればそれ以上!」という人もいれば「80歳くらいまでで十分かな」と考える人もいると思います。
人の寿命というのは人それぞれですが、100歳を超えて生きられる人は決して多くありません。
中には120歳くらいまで生きる人もいますが、人の寿命はだいたい115歳程度が限界だというデータが発表されました。
イギリスの科学雑誌「ネイチャー誌」がこうした説を掲載して、話題になっています。
いったい、その根拠はどのようなものなのでしょうか?
1.115歳前後が限界?
人の平均寿命は19世紀からずっと伸び続けてきました。
有効な薬の開発・安全な出産体制の充実・病気の治療法の改善、医療の技術進歩などがその主たる理由です。
しかし、そうした傾向はこれからも続くのか?というテーマである研究チームが調査を行いました。
研究チームは、寿命のデータと米、英、仏、日の110歳以上の人の死亡件数を調べました。
結果、100歳以上の人たちの寿命が延びるペースが落ちていて、過去20年間を見ると最高年齢の水準が一定になりつつあることが判明したとのことです。
チームのある教授曰く、「105歳以上の人の数が増加していない。すなわち人間の寿命は限界を迎えつつあるということ。これまでで初めてこうした現象が確認できた。人の寿命の限界は115歳程度ではないか」とのこと。
どんなに医療が進歩しても、人間の種としての限界があり、それは避けられないということなのでしょうか。
2.反対説の主張も
ある別の教授はこの説について批判を展開しています。
「寿命の限界を迎えつつあると言う人達は、寿命の限界について調査するにあたり人口学や統計学を用いることなく、彼らが何となくそう考えるという内容を、それらしい言葉・調査手法・図表を使用して証明しようとしたに過ぎない」
「人類の寿命についての新しい科学的知見が何一つ提示されていない」
と、この説に懐疑的な識者もいます。
3.寿命を伸ばすには根本的な改変が必要!?
平均寿命は確かに伸びてきていますが、医療の進歩は寿命の限界を大幅に伸ばすことはできていません。
今でも100歳まで生きられる人は人類の中のごく少数です。
本格的に人類の寿命を伸ばすには、病気を治療する技術を高めるだけでは限度があり、体内の細胞の中で発生する老化作用をどうにかしなくてはならないという考えがあります。
研究チームの教授は、「今以上の寿命の長さを実現するには、人間の遺伝子構造自体を改変したり、とても多くの新薬を開発するなど、根本的な問題を解決しなければならない」と本誌で付け加えています。
いくら薬や医療が発達しても老化作用というのは止められません。
本当に寿命は限界を迎えつつあるのかもしれませんね。