皮膚科の開業では、ほかの診療科目と比べると特殊な医療機器が必要となります。
高額な医療機器を導入することになるため、医療機器の購入にあてる資金を十分にしておかないといけません。
ここでは、皮膚科の開業に際して必要となる医療機器の種類や費用をまとめました。
<皮膚科の開業に必要な医療機器の種類と費用>
皮膚科を開業するには、次の医療機器が必須となります。
・顕微鏡
・CO2レーザー装置
・Qスイッチレーザー装置
・滅菌器
・電子カルテ
皮膚の疾患は、表見的な症状だけではなく顕微鏡による検査が必要になる場面も多くなります。白癬菌・カンジタ・真菌などの特定には顕微鏡が必須でしょう。顕微鏡は1台あたり30万円前後が相場です。
皮膚科の治療ではCO2レーザーも活躍します。皮膚の止血・切開・蒸散・凝固に使用される炭酸ガスレーザーは、1機あたり250~300万円になるでしょう。
色素性の皮膚疾患に対する治療にはQスイッチレーザーも必要です。刺青の除去に対応したタイプもあるため、導入する機種によって医院のコンセプトや対象となる患者の層が劇的に変化するといえるでしょう。Qスイッチレーザー装置は800~900万円が相場です。
皮膚疾患は細菌性のものも多いため、使用した器具類は十分に滅菌する必要があります。滅菌器は1台あたり30万円程度になるでしょう。
アトピー性皮膚炎や慢性湿疹などのように長期的な治療が必要となる患者が多いので、患者の管理には電子カルテも導入するべきです。電子カルテは、PC2台構成で250万円程度が相場になります。
これらの医療機器を合計すると、皮膚科の開業では、医療機器の購入分だけで1400~1500万円を用意する必要があります。
<皮膚科開業で医療機器の費用を抑える方法は?>
皮膚科の開業では、Qスイッチレーザーのような高額の医療機器が必須となるため、医療機器の負担が重くなりがちです。物件の取得や賃貸契約、院内の内装工事などにも多額の費用がかかるため、医療機器の負担はできるだけ軽くしておきたいことでしょう。
必要な医療機器を厳選するだけでなく、一部の機器類をリースに置き換えれば開業費用が抑えられます。開業コンサルタントなどからアドバイスを受けながら、開業費用を節約していきましょう。