コロナウイルス流行時に賞与はどうするべきか

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<賞与とは

厚生労働省の通達によれば、賞与とは「定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないもの」です。従って、賞与の支給の有無、賞与の増額、減額は、経営する病院・クリニック側の裁量で決定されるものですが、賞与の支払い義務の有無は、就業規則や雇用契約書で定め方によって決まります。就業規則、雇用契約書ともに、賞与の支払いについて明確に定めない場合は、支払い義務は発生しません。一方で、就業規則あるいは雇用契約書に、賞与の支払いについて定めている場合は、その規定に沿って支払う義務が発生します。

 

<コロナ禍による経営悪化

 医療機関では、コロナ禍によるウイルスの感染対策によって、金銭的、人的コストがかさんでいます。その一方で、患者や利用者が減少し、コロナに関する対応を除いては不要不急の手術などは行わないようにという要請もあることから、病院やクリニックの売上が減少しています。このような状況であるため、医療機関の収支は悪化しているのが現状です。

 

<賞与はどうするべきか

 このコロナ禍で、医療従事者は、通常以上の感染リスクと多忙にさらされながら地域医療を守っています。そのため、賞与の減少は、従業員のモチベーション低下や、ひいては離職率の増加につながる可能性もあります。

株式会社クイックが運営する看護師専用コミュニティサイト『看護roo!(カンゴルー)』(https://www.kango-roo.com/)が、全国の看護師約1800人を対象に実施した「今夏ボーナスの支給状況」に関するアンケートによれば、この夏のボーナスが「全面カットされた」「前年より減った」とする回答は合わせて全体の22.3%であり、「前年と変わりなく、同水準で支給された」とする回答は全体の37.1%でした。ただし、前年と同水準で支給された方でも、役員報酬をカットして職員の賞与を支給したり、経営が苦しくても士気に関わるとして職員の賞与を支給したという回答がありました。

このような状況に鑑みると、病院の売上との関係で、賞与を多少減額することは止むをえないと思われます。ただし、賞与の減額によって職員のモチベーション低下が予想されるため、職員のモチベーション低下を防ぐための方策を別途設けることが好ましいと考えます。

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