○○ハラスメント、という言葉が沢山叫ばれる世の中ですが、医療業界についてもあてはまる言葉があります。
ドクターハラスメント、略して「ドクハラ」です。
医師、看護師などの医療従事者の、患者に対する暴言、行動、態度、雰囲気をも含む全てのものを指し、悪意の有無、合理的理由の有無を問わず、患者が不快に感じればドクターハラスメントであるとされています。
患者さんというのは自らの状態について不安な方が多いですから、特に気を遣わなければなりません。
今回は、どんなことがドクハラとなりうるのか見ていきましょう。
①決断を急かす
「急いで手術をしないと治らない」、「この治療をしなければ死ぬ」などと、知識の差を盾にしてすぐ患者に決断させようとすることはドクハラにあたります。
「本当に急を要するんだからはやく頷いてほしい」と思うこともあるかもしれませんが、急かしすぎると患者も不安になってしまい、実質的にセカンドオピニオンの機会を奪ってしまいかねません。
「なるべく急いで決断をしていただきたいとは思うが、一度自分で考えなおしたり、家族と相談をしてみてください」と、患者さんに余裕を与えてあげるような言葉をかけてあげましょう。
②子育てに対する批判
小児科でのドクハラにも気を付けましょう。
例えば食欲がない子供に対し、「無理にでも食べなきゃ死ぬ」なと言ってど怖がらせたり、
「母親がそんな調子だから子供が病気になるんだ」「あなたの育て方が悪い」という言い方もドクハラにあたります。
確かにあまりにも管理のできない親も中に入るかもしれません。
しかし、そこで思ったことをそのまま言ってしまっては言い争いになりかねませんし、子供に与える不安も大きくなってしまいます。
そこはきちんと「どう対処すべきなのか、親にはどうしてほしいか」を丁寧に説明することが必要です。
③産婦人科でのセクハラ
産婦人科医は特にドクハラが多いそうです。
特に産婦人科医は比較的若い女性を相手にすることが多いので対象となりやすいのではないでしょうか。
例えば「胸が大きいね」「膣のしまりがいいね」など女性の身体的特徴を指摘したり、「この歳で生むと、母親が歳とってて子供がかわいそうだね」など年齢について悪口をいったりというケースが多いようです。
加えて、あまり知られたくないのに大声で喋られたり、ということもあるそうです。
産婦人科は特にプライバシーや心情に配慮して診察等行う必要があります。
④診察、治療についていろいろ聞くと面倒くさそうな態度をとる
患者からすると、自分の状態、これからの治療方法、治療の効果など不安な点はたくさんあると思います。
しかし「結局治療するのは医者なのだから、あれこれ知ったところでしょうがないじゃないか。治してやるから言うことを聞けよ」と考え、説明を雑に行ってしまったり、面倒くさそうな態度を見せる医師も中にはいます。
しかし、医師には説明義務が課されていますから、患者の疑問に丁寧に説明することは当然のことなのです。
患者との信頼関係を築くためにも、丁寧でわかりやすい説明を心がけるようにしましょう。