「全国医学生CPR選手権大会」、聞き慣れない大会名ですよね。
これは昨年から始まった大会で、全国の医学生が技術を競い合う大会です。
具体的にどのような内容なのでしょうか?
今回はこの「全国医学生CPR選手権大会」についてご紹介します。
①大会の概要
この大会は「全国の医学部の学生の心肺蘇生技能の向上を目指す」ことを目的としてはじめられました。
日本国内には全部で約80校の医学部があります。その80校の医学部の学生が各地方で予選大会を行い、その後決勝戦で競います。
互いの心肺蘇生技術の向上を目指す大会こそ、「全国医学生CPR選手権大会」なのです。
ちなみに「CPR」とは、心肺蘇生法(CardioPulmonary Resuscitation; CPR)のことです。
呼吸が止まってしまい、心臓も動いていないと推定される人の救命のために行う活動のことです。
心臓マッサージや人工呼吸なんかがそうですね。
②どんな戦いをする?
では、そこで具体的にどのような方法で競うのでしょうか?
まずは筆記試験で知識を問います。
その後は実技試験に移り、以下の手順でマネキンを用いて救命活動を行います。
①1人法による胸骨圧迫+人工呼吸(フェイスシールド使用) 2分
②1人法による胸骨圧迫+人工呼吸(ポケットマスク使用) 2分
③3名による胸骨圧迫+人工呼吸(バッグバルブマスク使用)+AED 10分
成人CPRと小児CPRの二種類が行われます。
これらの作業を行い、多数の項目を用いて客観的に評価されます。
作業のスムーズさ、正確さ、連携具合などが試されると考えられます。
③第一回優勝校は?
第一回大会で優勝したのは帝京大学医学部の「ACLS研究会」というチームでした。
成人CPRより難易度の高い小児CPRの出来具合が勝敗を分けたそうです。
始まったばかりの大会ですから、この大会がCPRを学び考えるきっかけとなり,より多くの医学生に実践力を身につけていくでしょう。
しっかりとしたCPRを実践できる学生が増えてくれれば、さらにはその学生たちが一般の方にもっとCPRを広めていってくれて、何かあったときに対処できる人が増えていくと世の中のためになって良いですね。
今後の発展に期待しましょう!