最近、横浜大口病院で院内トラブルがあり、ニュースや新聞等で盛んに報道されました。
患者に使用する点滴の中に界面活性剤が投入されており、それを使用していた患者が亡くなってしまったという事件です。
院内で厳重に管理されているはずの点滴で人が殺されたとあって、医療界に衝撃的な影響を与えました。
横浜大口病院だけではなく、このような事件がどこの病院でも起こらないとは限らず、医療の安全面で不安が広がっています。
この事件からみえてくる、院内管理やトラブル対策について今回は考えていきたいと思います。
①院内の管理体制は?
横浜大口病院で使用される点滴は、別階の薬剤部から鍵付きのロッカーに運ばれてナースステーションで保管をしていたようです。
きちんと鍵をかけていたので、点滴に細工をしたと考えられるのは鍵を使用できる人物しかいません。
そうなると外部の犯行は難しいため、内部の犯行説が有力に主張されています。
このように、外部からの影響だけでなく内部からの影響にも配慮していかなければなりません。
悪意をもった医療スタッフ、つまり内部側の人間が今回のようなことをまた起こさないとも限らないので、院外だけでなく院内の管理体制も厳重に行う必要がありますね。
②職員と患者の信頼関係構築
こういう事件が起きてしまうと、別の病院でも「もしかしたら自分の命も狙われる可能性があるのでは……」と患者が疑心暗鬼になってしまうこともなくはありません。
患者が職員を信用しなくなると、コミュニケーションがとりにくくなったり治療がスムーズにいかなくなったりと様々な不都合が起こることも考えられます。
ですから、「管理体制はどうなっているのか、危険が及ぶ心配はないのか」などといった患者側の疑問や不安になるべく寄り添って、普段からコミュニケーションをとることが大事になってきます。
③職員間でもきちんと確認を!
「あの人に任せておけば大丈夫だろう」「私はこれの担当じゃないし」となんとなく疑問に思ったこともなんとなくそのままにしておくとトラブルになりかねません。
「あれ?ちょっとおかしいな」と感じたらすぐに職員間で確認を取り合うように心がけることも大切です。
情報の共有、報告・連絡・相談の徹底をして、医療の不備が起こらないように注意しなければなりません。
故意に行われた横浜大口病院のようなケースは稀ですが、不注意などが原因の医療事故などはどこの病院でも起こりうるのです。
人の命を預かる現場にいるということをしっかりと認識して緊張感をもつことが大切ですね。