国民病の一つと言われる「糖尿病」。
欧米型の食生活や運動不足などで糖尿病になる人は年々増えています。
この糖尿病ですが、実は医療費の圧迫にも繋がっており、医療界における重大な問題の一つとなっているのです。
なぜ糖尿病患者の増加が経済的負担になってしまうのか、今回は糖尿病と医療費との関係についてご紹介していきます。
①糖尿病の助成制度
日本の年間医療費は大体40兆円前後になっていますが、そのうち約1兆円程度が糖尿病にかかる医療費になっています。
糖尿病の治療は高額になることがほとんどで、全て自分で負担できるという額ではありません。
そこで国や自治体や保険会社は各種糖尿病に関する助成を行っているのです。
よって、患者の自己負担は減るので糖尿病になってもしっかりとした治療が受けられるのです。
その分の負担が医療費に向かいます。
患者が増えてくればその分医療費も増大するので、結果糖尿病は医療費圧迫につながっているというわけなのです。
②人工透析
糖尿病と切っても切れない関係なのが人工透析です。
人工透析とは、糖尿病が悪化して腎臓が機能しなくなる腎不全になった人に対する治療方法です。
腎臓には血液中の老廃物を取り除いたりする作用がありますが、それを人工的に行うのが人工透析です。
透析治療で1ヶ月にかかる医療費は、患者一人につき約40万円と言われています。
高額なので当然それを補助・助成するわけですね。
患者の経済的な負担が軽減されるように、様々な医療費の公的助成制度が存在します。
糖尿病患者が増えると人工透析治療をする人も増える。
二重の医療費圧迫がここに存在しているのです。
③具体的な数値は?
だいたい人工透析にかかる医療費は年間で1兆円程度となっています。
糖尿病治療にかかる医療費約1兆円とあわせると、約2兆円を国の医療費で負担していることになります。
前述の通り日本の年間の医療費は約40兆円程度ですから、約5%をこの糖尿病関連に費やしていることになります。
これからも糖尿病患者が増えることが予想され、加えて補助が手厚いので治療を受ける人が増えます。
病院側からしても、透析患者は定期的にお金を落としてくれるので収入源の一つです。
こうして将来的には今よりもっと医療費をこの二つの治療で圧迫していくことになりかねない、と国や医療機関は警鐘を鳴らしているのです。