歯科医院の開業における「保健所の検査」とは?
歯科医院の開業にあたっては、必ず保健所による検査が行われます。
保健所の検査は、医療施設の開設や管理運営などに関して定められた『医療法』の規定によって実施されており、歯科医院も例外なく検査を受けることになります。
検査は歯科医院の開設者や管理者、実質的にはドクター立会いの下、保健所の検査員が訪問しておこなわれます。
ここに気をつけたい!保健所検査のチェック項目
実際に保健所の検査でチェックされる項目について紹介しましょう。
まずは「院内掲示」です。
以下のものは院内の見えやすい場所に掲示する必要があります。
・管理者とドクターの氏名
・診療日時(診療をおこなう曜日と時間、休診日など)
・院内各部屋の用途(診察室、レントゲン室などの表示)
・個人情報の管理体制に関する明示
院内掲示は非常に基本的なことなので指摘を受けることはあまりないでしょう。
指摘を受けやすいのは「文書管理の状況」です。
以下の文書は検査時に必ず提示を求められるので、整備のうえ管理が厳重かつ分かりやすい場所に保管しておきましょう。
・開設届
・医療機器の備付届(歯科医院ではX線装置などが主)
・医療に関する安全管理、院内感染対策の指針などの文書
・医薬品の安全な使用法に関する文書
・医療従事者の本人確認書類の写し
特に開業直前となると準備が忙しく歯科医院内も雑然とすることが多いので、重要書類を紛失したり、保管場所が分からなくなったりすることがないよう注意しましょう。
歯科医院ではレントゲンを多用するため「放射線管理」にも気を付けましょう。
みだりに立ち入らないための管理区域の表示、レントゲン室の表示、使用中の表示など安全管理措置が徹底されているかを厳しく検査されます。
保健所の検査で最も注意すべきは「広告」です。
医療法では医院内の広告掲示は禁止されており「◯◯術の料金が◯%オフ」など受診を誘引する広告の掲示は保健所の検査では重大な指摘事項となります。
競合する歯科医院との差別化のために保険診療外の施術をアピールしたい気持ちがあっても、広告掲示は指摘にとどまらない違法行為となり厳しく指摘を受けることになります。
指摘事項なし、または指摘事項が改善されれば、開業届はめでたく『受理』となり、開業が認められます。
スムーズな開業のためにも、保健所からの指摘を受けないように万端の準備で検査に臨みましょう。