開業したからには、大切なクリニックを円滑に運営していくことが必要となります。
そのためにはいったい一日何人の患者を診る必要があるのでしょうか?
この問題について見ていきたいと思います。
一日に必要な患者数
クリニックの一日の平均の患者数は44人という統計があります。
しかしこの数はクリニックを経営していくにあたって充分な人数なのでしょうか?
44人に近い40人で計算してみると、一人の平均診療単価が5,800円の場合(3割負担で自己負担額1,740円)、診療日が平均的な月21、5日で計算すると、
5,800円×40人×21.5日=4,968,000円で月に約500万円の診療収入が見込めます。
更にこれを年単位で計算すると4,968,000円×12ヶ月=5,985,6000円。
約6000万円の診療収入となります。
ここから看護婦さんやスタッフの給料1500万円(月100万円強)家賃600万円、水道光熱費で90万円、更に診療材料費として600万円を引き、その他固定費や雑費等を換算すると約2000万円の利益が出ると考えられます。
スタッフが受付と看護師で2人だけの場合や人件費が安い場合、家賃が月に50万円もかからない場合はもう少し手元に残ります。
ここから税金と最初の借入金を返済していくと考えると、医者としての最低限の収入を得ていくためには、やはり一日約40人の患者を診察することが必要であると言えるでしょう。
必要な患者数+余裕があると尚良し
クリニックの医療機器も毎日使っていると寿命もありますし、建物の内装も老朽化してくると新しい綺麗なクリニックに患者が移って行ってしまう恐れもあります。
仮に15年に1回の設備のメンテナンスを考えると40人プラス5人くらいの患者数を平均で確保できると安心です。
一日5人増えるだけで年間では750万ほどの診療収入が増えるのに、人件費や家賃は変わらず、診療材料費のみが75万円増えるので利益は年間で675万円増えるので、この分をクリニックのためのお金としてストックしていけると安心です。
ただし、患者数を増やすことで、患者さんの待ち時間が長くなり過ぎてしまったり、ご自身が休憩が取れないということがないように、注意しましょう。
おわりに
開業医は一日40人、8時間勤務として、一時間5人、という無理のないペースで患者さんを診ていけば必要充分は経営は出来るでしょう。
患者数を増やすことは重要ですが、無理のない程度に、患者さんもストレスを感じない程度の待ち時間で継続的に対応できるようにしたいですね。