「アルケリス」という言葉を聞いたことがありますか?
近年介護の分野で、身体の負担を軽減するために様々な道具が開発されていますが、立ちっぱなしで長時間施術する手術の現場にも、そうした負担軽減のための道具を導入しようという動きがあります。
「アルケリス」というのはそうした医療現場のニーズに応えて開発されたある椅子のことを指します。
具体的にどのような椅子なのか、効果はどれほどのものなのか?
今回はアルケリスについてご紹介していきます。
①アルケリスとは
「アルケリス」とは、手術室内での歩行移動を妨げずに、必要なときに中腰姿勢で簡単に座ることの出来る、画期的な「身につけて歩ける椅子」のことです。
多くの手術は立ったままで長時間行うため、手術を終えた後、足腰がつらいという現場の声を受けてアルケリスの開発がスタートしました。
立ちっぱなしで働く医療スタッフの足腰の負担軽減のために、千葉大学フロンティア医工学センターと複数の企業がこのアルケリスを共同開発するに至りました。
②その特徴
取り付けは至って簡単で、手間がかかりません。
手術の邪魔にならないようにコードレスになっているので安心です。
歩いているときはほとんど気にならないですし、座ろうとしてかがむと、中腰の姿勢になったところで座っている感覚になります。
脛と大腿部の部分のサポートが広く、そこで圧力を分散しながら体重を支える事で装着者の筋肉疲労を低減してくれます。
そして、片方ずつ独立した造りになっているので、双方自由に動かせてバランスがとりやすいのも特徴です。
実際に使用してみた医療スタッフに感想を聞くと、軒並み高評価を得たようで、腰がずいぶん楽になって助かるといった感想が多かったようです。
③他分野への活用も
医療現場の声を受けて作られたアルケリスですが、他の分野への活用も期待されています。
重労働で身体への負担も大きい介護の現場や、腰に負担のかかりやすい農業分野、物流分野などでも負担を軽減できてよいのではないかと期待されています。
現在改良中とともに特許出願中のようで、購入はできませんが、今後の普及にとても期待したい画期的な開発ですね。