受付等で患者さんの名前を読んでも大丈夫?個人情報保護法との関連性

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受付で氏名を呼ぶのは個人情報保護法違反?

今ではどんな業界でも意識づけが徹底している個人情報保護。

各企業も社内規定として個人情報保護のガイドラインを定めて、個人情報の適切な取扱いに努めているところです。

個人情報保護の意識が高まる一方で、企業としては「個人情報保護法違反ではないのか?」というクレームを受ける機会も増えていることでしょう。

これは、クリニックといえども他人事ではありません。

クリニックの業務で問題となるのが、診察の順番がきた時に、受付から患者に対して「◯◯さん」と苗字または氏名で呼びかける行為です。

確かに、全く見ず知らずの患者同士で、受付に呼ばれたあの人の名前は◯◯さんだと認識されることは、個人情報保護の観点からは問題があるように感じられます。

「私の名前は他人に知られたくなかった。重要な個人情報を暴露されたので、個人情報保護法違反にあたる。」というクレームに発展するかも知れません。

受付から患者の氏名を呼ぶ行為は、個人情報保護法に違反するのでしょうか?

 

受付から氏名を呼んでも個人情報保護法違反にはならない

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結論から言えば、受付から患者の氏名を呼んでも個人情報保護法には違反しません。

個人情報保護法に定義されている『個人情報』とは「特定の個人を識別できる情報」であり、氏名を読み上げて患者を呼ぶ行為によって周囲の人々が得られる情報は「氏名の音のみ」で個人を特定できる情報とはいえません。例えば「さとういちろうさん」と呼んだとしても、周囲の人々は「さとういちろう」という氏名の読み方だけで、佐藤一郎なのか、左藤一郎なのか、佐東一郎なのかは識別できません。

クリニックの受付で患者の氏名を呼ぶ行為は、同姓の患者の取り違い防止において最も簡単で実効性のある手段です。

もし、患者の氏名の読み上げが問題となるおそれがあれば、受付で、患者の取り違い防止のために氏名を読み上げを実施していることに納得してもらった上で、もし氏名の読み上げが好ましくないという患者がいればその旨を受付で申し出るように周知すると良いでしょう。

個人情報保護については、大きなクレームに発展する原因の一つです。

「氏名の読み上げは違法ではない」と強気になるのではなく、氏名読み上げの目的や、希望しない患者への対処についての説明を尽くすことが重要です。

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