これからクリニックを開業する場合や、担当している診療科を変えることを検討している人は、QOL(Quality Of Life)の高い診療科への転科やクリニックの開業を目指してみてはいかがでしょうか。
特に、これからクリニックの開業をする人の中には「家族との時間を取りたい」「プライベートもしっかりと持ちたい」などの希望を持っている場合も多いはずです。
まずはQOLについて理解を深めましょう。
QOLの重要性について考える
QOLとは「Quality Of Life」の略で、日本語に訳すと「生活の質」という意味になります。
もともと、病気を患っている患者さんの治療をすることで、患者さんの生活の質を上げることをQOLと呼んでいました。
しかし、最近になって病院に勤務する医師の労働環境についても「QOL」で表現されるようになってきたのです。
「医者なんだから過酷な労働環境は当たり前」と見られる場合もありますが、高齢化社会になってきた日本で、QOLの低下による将来の医師不足は死活問題とも言えるでしょう。
なので、医師自身のQOLを高めることが日本の未来を左右すると言っても過言ではありません。
これからクリニックを開業する人や転科を考えている人は、まずは自分自身がQOLの重要性について考えることが必要です。
QOLが高い診療科は主に5科目
QOLが高いと言われている診療科は、主に「精神科・皮膚科・眼科・美容形成外科・放射線科」の5つです。
精神科は入院施設のないところであれば、外来診療のみで運営することになります。
なので、深夜までやっている精神科は少なく、終業時間になったらすぐ閉院できるため、QOLが高いと言えるでしょう。
また、個人開業の精神科では予約制をとっている場合が多いため、予約と予約の合間に小休憩を持てる場合もあります。
外来中心で運営されている皮膚科や美容形成外科も、診療時間が終わったらすぐに閉院できることや、自由診療等で利益を出しやすいというのもあり、医師としてのQOLは高いほうでしょう。
また、眼科の場合も外来が中心です。
手術がある場合でも長時間拘束されることは少ないため、比較的短い拘束時間で済みます。
急患も少ないので、ライフワークバランスがとりやすい診療科目です。
放射線科は需要と供給のバランスが取れていないため、QOLは他の診療科目に比べると、はるかに高いと言えるでしょう。
放射線科は医師不足なわりに需要があるため、非常勤として働くことも可能ですし、治療をするわけではないので、余裕を持ちながら仕事をすることができます。
QOLを意識した働き方が”当たり前”の時代に
「QOLを大切にしたいから、この専門科目にした」という医師も中にはいるようです。
もし、自分の病院を持ちたいと考えている人は、QOLを大切にした病院作りをプランに入れてみるといいかもしれません。
一昔前とは違い、医師もQOLを意識した働き方をするのが当たり前になりつつあるため、後々、医師を採用するときに役立つ可能性が十分にあるからです。
クリニックの開業や転科を検討している人は、今一度ご自身のQOLについて考えてみてはいかがでしょうか?