いよいよ自身のクリニックが開業を翌日に控えた日。
ドクターとしては、これまでの苦労を思い起こして感無量に浸りたい心境ではありますが、本当の苦労のスタートは開業した日から始まります。
ここでは、クリニックの開業を翌日に控えた、開業前日に確認しておくべきポイントを紹介していきます。
医療機器や電子カルテなどの点検は綿密に
クリニック開業の前日は、医療機器や電子カルテなどが正常に稼働するかを点検しておきましょう。
開業までの間に何度も点検や稼働テストを繰り返してきたはずですが、実際に患者相手に使用するのは初めてとなるので、不測の事態が起こらないとも言い切れません。
クリニックの開業初日は「何かトラブルが起こるかも知れない」というよりも「何らかのトラブルが起こっても当然」というくらいの心構えで、診療や検査に使用する医療機器、電子カルテやレセコンなどの事務機器などが間違いなく稼働するのかを綿密にチェックしておきましょう。
また、機器類に何らかの不具合が生じた場合を想定して、メーカーやディーラーへの連絡先をピックアップしておくほか、特に開業初日はメーカーやディーラーのサポートスタッフを派遣してもらうよう要請しておくと良いでしょう。
院内設備の点検もしっかりと
クリニック内の照明・エアコン・自動ドア・給排水などの設備も、開業前日には正常に稼働するかを点検しておきましょう。
特に照明器具類では、エントランスや通路などの常時点灯している箇所だけでなく「使用時に点灯させる箇所」の点検を徹底すべきです。
中には「工事が終了して一度も点灯しないまま開業を迎えた照明が、実は初期不良で点灯しなかった」というケースもあるので、クリニック内の設備が正常に稼働するかを隅々までチェックしておきましょう。
「意外と忘れがちなもの」もしっかりとチェック
クリニック開業の初日に、ドクターが「うっかり忘れていた」となりがちなのが釣り銭です。
レジスターの中には、5万円分程度の釣り銭をしっかりと充填しておきましょう。
特に新規開業のクリニックは、1日にどれくらいの患者が訪れるのか、患者1人あたりの単価はいくらになるのかなどが見当もつかないものです。
必要十分と思って用意していても、意外と足りなかったりするのが釣り銭なので、あらかじめ両替用のお金を金庫に用意しておけば安心ですね。
トイレットペーパーや手拭き用のペーパー、飲料水用の紙コップなど、用度品の在庫が十分にあるのかも要チェックです。
これらの点検項目は、開業前日までにチェックリストを作成して、開業前日にはチェックリストに従って点検をおこなうのが見落としも防止できてベスト。
トラブルが起こっても当然のクリニック開業当日を無事に乗り切るためには、前日までの綿密な点検が必須です。
自身のクリニックが最高のスタートを切ることができるように、綿密な点検をおこないましょう。