クリニック開業する際、物件を購入する方もいらっしゃいますが、ほとんどの方がテナントを借りることを検討するのではないでしょうか。
そこで今回は、テナントを借りるときの賃貸借契約でチェックするべきポイントをご紹介します。
ポイント1.契約期間について
テナントを借りる場合は、賃貸契約では、基本的には更新がない(できない)定期借家契約と更新がある普通借家契約の2タイプがあります。
テナントによっては、契約期間は2年〜10年の普通借家契約もありますが、クリニックのようなテナントの場合は、契約期間が15年〜20年の定期借家契約も多いといわれています。
たとえば、医療法人化を目指すクリニックの場合は、10年以下の定期借家契約よりも長期間の賃貸借契約が必要になってくる為、契約期間を15年以上になるような契約の交渉が必要です。
尚、普通借家契約の場合は、基本的には更新時に更新料を支払うことで契約期間を更新することが可能です。
しかし、定期借家契約の場合は、更新ができない為、契約期間満了後、改めて契約を結ぶことができるか等事前に確認しておくと良いでしょう。
また、自己都合の契約解除に関して、違約金が発生する場合もありますので、そのあたりも必ず確認しましょう。
このように将来のことも考えて契約期間をしっかりチェックしましょう。
ポイント2. 賃料やそのほかの費用について
賃料の発生に関しては、引き渡し後から発生の場合もありますが、人気エリア等は契約時から発生することがあります。
また、テナントの場合は、賃料のほかにビルのメンテナンスなどに使われる共益費の発生もあります。
そのほか契約時に敷金や保証金、礼金等がかかります。
場所によってはそのような費用だけで、賃料の6カ月分など大きい金額が予想されます。
尚、保証金や敷金は賃料の支払い義務の担保をする目的で貸主に預けるので明け渡しの際に、清掃料金等を差し引いて、返済されます。
しかし、礼金は大家さんに支払う金額の為、返金されませんので注意しましょう。
ポイント3.明け渡し条件
一般的に賃貸借契約が終わると現状復帰をして明け渡します。
ですが、クリニックの現状復帰は、難しいといわれています。
その為、現状復帰の範囲や費用負担などどうするか契約のときに細かくチェックしましょう。
細かく決まっていない場合は、トラブル防止の為、しっかり話し合い、契約書に明記しておきましょう。
ポイント4.設備について
クリニックの場合、大型の医療機器の導入や診察室の設置など事前に確認するポイントが多くあります。
たとえば、大きい医療器具を搬入する場所は確保できるか、電気の容量や床の耐荷重は十分か等必ず確認しましょう。
また、診察室や待合室を作った場合、空調設備や水回りは確保できるかなどしっかりチェックしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、テナントを借りる際の賃貸借契約のチェックポイントをご紹介しました。
契約する際は、そのエリアの相場感や空室期間等もわかっていると、家賃等の交渉材料にもなりますよ。