医療法人化で注意すべき4つのこと

指し棒を持つ白衣の女性

クリニックの開業を目指すドクターの中には「将来的には法人化を」というプランを思い描いている方も多いでしょう。

法人化には大きな節税効果があり、特に収入額が他業種と比べると大きくなる医療業界ではその効果は絶大です。

では、どんなクリニックでも医療法人化すれば良いのかといえば、それは間違いです。

医療法人化にはメリットがあればデメリットもあるので、デメリットの面も十分に理解した上で法人成りを目指す必要があるでしょう。

ここでは、医療法人化で注意すべきポイントを紹介します。

 

クリニックを医療法人化する際の注意点

医師(白バック)

クリニックが医療法人化することで注意すべきポイントは全部で4つです。

まず1つ目は医療法人化すると社会保険料の負担が発生することです。

個人経営の場合、従業員5名以下の場合は任意での加入になりますが、医療法人化すると従業員の人数如何に関わらず社会保険の加入が必須となります。

コンパクトに開業したクリニックであれば、わずかな社会保険料でも年間を通じると大きな負担になるおそれがあります。

2つ目は交際費の算入です。

個人経営のクリニックの場合、必要と認められる範囲内で全額の交際費が経費として認められます。

ところが、医療法人化すると飲食費の50%または上限800万円までしか交際費を損金に算入できなくなります。

交友関係が広いドクターやこれから交友関係を広げていくべき新参のドクターにとっては、交際費に上限があることに注意を払っておく必要があります。

3つ目は余剰金の配当ができないという点です。

医療法第54条は医療法人について「余剰金配当の禁止」を規定しているため、医療法人の役員だからと言って金銭を受け取ったり、法人が借り上げている住宅に住んだり、医療法人に債務の保証人になってもらう行為を禁じています。

単に配当金を得るような金銭の流れだけでなく、何らかの利益享受を禁止しているため、医療法人化によって資産移動などが規制されるおそれがあります。

4つ目は強い監督を受けることです。

医療法人化すると、決算後の3ヶ月以内に都道府県に対して報告の義務が発生します。

また、資産総額は事業年度終了後の3ヶ月以内に、理事の変更は2年に一度のサイクルで登記のうえ都道府県に報告する義務があります。

 

医療法人化を目指すならメリット・デメリットを見越した計画が必要

Business concepts, start to goal

ただ単純に「節税できるから医療法人化したい」と考えるのは大きな間違いです。

医療法人になると従業員への福利厚生、会計上の制約、許認可関係の事務手続きによる負担が増加するので、メリットだけにとらわれると予想もしていなかったデメリットによって業務と経営が圧迫することになります。

医療法人化を目指すのであれば、医療法人設立に明るい行政書士事務所や会計事務所に相談の上で、現状と比較したメリット・デメリットを十二分に把握してから実行するのが賢明でしょう。

 

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