クリニックの開業には、融資を受けるための必要資料として事業計画書が必要になります。
ここで初めて『経営戦略』について真剣に向き合うことになりますが、クリニック経営の成否は経営戦略の質に依存するといっても過言ではありません。
開業を目指している今だからこそ、病院経営戦略について考えていきましょう。
ブレないコンセプトを柱にする
ビジネスには『コンセプト』が必要です。
これはクリニック経営においても例外ではありません。
たとえば、女性ドクターが「女性の利用に便利で優しいクリニックにしたい」と目標を立てたとします。
これはターゲットを明確にしたコンセプトのひとつだといえます。
しかし、単に目標としているだけでは、思ったように患者が集まってはくれません。
外装は女性が利用しやすい柔らかなイメージにまとめ、内装は圧迫感を感じさせないホテルのラウンジのように仕上げるのも良いでしょう。
着替えや小さなお子さまの授乳・おむつ替えなどにも配慮しておきたいところです。
こういった配慮が行き届かない限り、コンセプトを貫き通すのは困難です。
大きなコンセプトを決定し、そのコンセプトを柱として内外装や設備などを整備することで、ドクターが想定した経営が実現するのです。
集患方法を明確にしておく
集患はクリニック経営の大切な柱です。
どんなに素晴らしい医療を提供できるのだとしても、患者が集まらないと意味はありません。
地道なもの、目新しいものに限らず、集患方法は明確にしておくべきです。
たとえば、住宅が多いエリアで特段の広告などもなく地道にリピーターを増やしながら定着を狙うのも、そういった集患方法を目指しているのであれば戦略的には問題がありません。
ただし、患者数が増えるまでのキャッシュフローは苦しいものになるので、資本面での対策は必須となります。
ホームページを活用して幅広く情報提供をおこない集患につなげるのも経営戦略としては有効ですが、ホームページの整備や維持などでイニシャルコスト・ランニングコストの両方がかかるという点は無視できません。
費用対効果を期待できないのにむやみに広告費をかけてしまうのはよろしくありませんが、広告による集患を狙っているのであれば立派な経営戦略です。
どちらがより優れているというわけではなく、はっきりとどちらかに絞って集患方法を明確にしておくことで、クリニックの経営戦略が安定するでしょう。