開業を目指しているドクターが、気力も体力も充実している年齢層であるとは限りません。
日々の忙しい業務をこなしているうちに、適齢期と呼ばれる年代を過ぎてしまったドクターもいるでしょう。
その反対で、開業の適齢期と呼ばれる年代にはまだ届かないドクターでも具体的に開業を目指しているケースもあります。
医院開業には年齢制限はあるのでしょうか?
<開業の適齢期は40歳代>
医院開業の適齢期は40歳代だといわれています。
実際に、日本政策金融公庫がおこなった開業実態調査では、クリニックを新規開業したドクターの平均年齢が42歳でした。
実は、開業までの平均年齢は右肩上がりで高齢化しています。
1997年までは開業の平均年齢は30歳代でしたが、1998年以降は40歳代から下がったことがありません。
開業の平均年齢が上昇しているのは、よりキャリアを積んでからの開業が好ましいという傾向に変化しているからです。
ですから、しっかりとキャリアを積むことに時間をかけていたために年齢を重ねてしまったとしても、決してマイナスに感じることはありません。
医師は定年がない職業ですから、平均年齢を超えても十分に勝負できます。
ただし、開業には多額の融資を必要とします。
返済にかかる年数や開業後のキャリアを考慮すれば、開業後の10数年程度で気力・体力の限界を迎えてしまう年齢で開業するのはリスクが高くなります。
開業年齢に上限があるわけではありませんが、できるだけ適齢期に近い年齢での開業を目指したいところです。
<若い年齢でも開業は可能>
開業医は、ドクターでありながら経営者でもあります。
若くて優秀な経営者が増えている現代では、適齢期を迎えるよりも若い年代で強い経営者思考を持つドクターが増えているので、突出して若い開業医が存在しているのも事実です。
専門的なキャリアを積み、大きすぎる負担を解消できるだけの自己資金が用意できれば、開業を躊躇する必要はありません。
開業年齢に上限がないように、下限もないのです。
とはいえ、若くしての開業には困難がつきまといます。
適齢期よりも若い年代での開業には、開業に関する豊富な知識と経験に基づくアドバイスが必要になるため、開業コンサルタントを活用するのも賢明でしょう。