病院開業前に必要な労務知識について

fe62ebb46b3a0a695f0810626c1a36b7_m

病院を開業するということは、ひとりのドクターであると同時に経営者となることを意味します。

そして、経営者になるということは、つまりスタッフの労務管理についてもドクターの責務となることを意味します。

労務に関する法律の専門家ではないドクターにとっては、最低限の労務知識を身につけておく必要があるでしょう。

 

<医療機関は労働時間の管理が難しい>

労務知識の中でも重要なのが「労働時間」の管理です。

医療機関は、早朝・深夜などの対応も多いためシフト設定が複雑になることが多く、突発的な対応による時間外労働も発生しやすい環境にあります。

労働時間に関しては、1日につき8時間、1週間に40時間以内を超えることができず、これを超えると時間外労働、つまり残業扱いとなります。

忙しい、手が足りないというだけで無制限にスタッフを使用していると、時間外労働が過多となり、人件費の面で圧迫するだけでなくスタッフのフラストレーションが増す結果となるでしょう。

法定労働時間内での勤務が可能となる人員確保と、緊急時にも無理なく対応できる勤務体制を確保しながら、人件費を激しく圧迫しないようにバランスを考慮する必要があります。

 

<専門職の混在への対応は就業規則が要>

病院には、さまざまな専門職が混在しています。

ドクターを頂点に、看護師、技師、医療事務といった専門職がそれぞれのセクションを受け持つことで運営が成立するため、労働条件や処遇もさまざまです。

専門職が多岐にわたると、資格取得やスキルアップを賃金に反映させる必要も生じるでしょう。

一律の勤務形態で管理できるわけではないため、あらかじめ就業規則によってそれぞれの条件を明示しておく必要があります。

 

労働時間や就業規則に関する知識はドクター自身がある程度は身につけておくべきですが、多忙な業務の中ですべての労務管理をおこなうのは大変です。

浅い知識で給与計算をして誤りでもあれば、スタッフの勤労意欲を削いてでしまうだけでなく、未払い賃金の請求訴訟を受けるといった事態も予想されます。

労働時間の解釈など、専門的な知見も必要になる場面が多いので、社会保険労務士や税理士といった専門家のサポートを受けるのが賢明だといえるでしょう。

関連記事