医院開業に向けて計画・準備をしている段階でも、意外と出費はかさむものです。
そこで気になるのが、開業準備中にかかった費用は経費として計上できるのかという問題でしょう。
大切な自己資金ですから、できれば経費計上して節約に努めたいところです。
開業準備中の費用と経費計上の関係を解説します。
<開業準備中の費用は経費計上が可能>
医院を開業するに向けて、ドクターはいろいろな支出を負担することになります。
まず結論として、開業準備中に支払った支出の多くは「開業費」として経費計上が可能です。
・開業コンサルタントとの打ち合わせで使用した飲食代
・現地視察の旅費や交通費
・開業に向けた基礎知識を勉強するための書籍代
・各種業者との連絡にかかる通信費
・テナント物件の賃貸契約にかかる仲介手数料や賃料
これらは、会計上は「開業費」として計上可能となり、さらに開業から5年間で均等償却できます。
税法では一括償却も可能なので、開業年度で一気に経費計上するか、それとも5年間かけて計上するかを選ぶことが可能です。
医院の開業は、どんなに早くても半年、平均的には1年を超える計画で進められるものなので、これらの支出も積み重ねればかなりの金額になります。
細かな支出でも領収書やレシートを保管しておくことと、どのような内容で支出が発生したのか、飲食代であれば誰とどんな打ち合わせをした時のものなのかなどを備忘録に記録しておくクセをつけておきましょう。
<開業費用として計上できないものもある?>
開業前の準備段階の支出でも、開業費として計上できないものがあります。
10万円を超える物品は固定資産となるため、パソコン・デスク・椅子などは固定資産として計上すべきものが多くなります。
これらは開業費ではなく、しかも耐用年数に応じた減価償却によって経費計上すべき資産となります。
また、テナント物件の賃貸契約に関する支出でも、礼金や返還されない保証金については繰越資産として原則5年間で償却することになり、開業費として一括で経費計上することはできません。
経費となるもの、経費計上できないものの区別は、一般的には難しく感じるものです。
誤った経費計上をするよりも、税理士などの専門家によるサポートを受けることをおすすめします。