1日に5件が廃業している?歯科医院の現状
日本歯科医師会の調査で明らかになった歯科医院の数は全国のコンビニエンスストアの数を超えており、限られた患者数に対して飽和供給状態に陥っています。
歯科医院の密集地帯として有名な東京都の銀座5丁目では、なんと半径150mという狭い範囲内に20軒もの歯科医院が立ち並んでいます。
厚生労働省が行った調査の結果では、歯科医院の年間廃業軒数は1,600軒ですから、単純計算で1日に約5軒の歯科医院が廃業しているという厳しい現状が浮き彫りとなりました。
一方で、年間の歯科医院の開業軒数はなんと2,000軒で、こちらも単純に見るとと1日あたり約6軒の歯科医院が開業している計算です。
開業と廃業が繰り返される歯科医院の現状。
これから歯科医院の開業を検討しているドクターは熾烈な生存競争の中で生き残るための方策を十分に考えて開業に臨むことは当然の心構えなのです。
失敗しない!歯科医院開業5つのポイント
熾烈な生存競争で生き残る強い歯科医院になるために開業前から意識したいポイントを5つ紹介します。
①生活に直結した立地
立地条件は歯科医院の明暗を分ける第一関門です。
郊外にポツンと開業せず、人口密集地区、駅など公共交通機関の近くなど患者の生活と直結した場所を選定しましょう。
②診療圏調査の実施
周辺の歯科医院の位置などから診療圏を分析し、他の歯科医院との診療圏競合を避けましょう。
すでに信頼関係を構築している歯科医院から患者が流入することは容易ではありません。
③低リスクを心がける
開業資金、開業後の収入と返済の試算などは、常にリスクを意識して計画するべきです。
開業計画の段階から低リスクを意識しておけば、思ったような集患が得られない難局にも耐えられる堅実な経営が実践できます。
④他の歯科医院との差別化
すでに飽和状態にある歯科医院の市場で患者から選ばれる歯科医院となるための近道が差別化です。
夜間診療をおこなう、子ども患者に特化する、矯正やホワイトニングなどの審美歯科に特化するなどで差別化し集患を目指しましょう。
⑤「なぜ開業するのか」の明確化
ドクター自身がなぜ開業を目指したかという意識を明確化することは、ドクターと経営者という二面性を持つ開業医のモチベーションの維持向上に必須です。
難局が訪れた時に打破できるか否かはドクター自身のモチベーション次第であると心に刻んでおきましょう。