一人医師医療法人設立で気をつけるべきポイント

注意

メリットだけではない?一人医師医療法人の設立

全国の医療法人のうち8割を占める一人医師医療法人

常勤ドクター1名または2名で1つの診療所を経営する法人形態のことですが、一人医師医療法人が全体の大部分を占めるのは、税制上の優遇など多くのメリットを享受できるからという理由が大きいでしょう。

ところが、一人医師医療法人の設立にはいくつかの注意点が存在します。

まずは単純なところで「業務の煩雑さが増すこと」です。

一人医師医療法人であっても、理事会の議事録や事業報告書などの事務書類を作成・整備する義務があります。

決算時や年度末には書類の整理に多くの時間を割くことになるため、特に全ての業務を一手に引き受けるドクターにとって大きな手間になることは間違いありません。

医療事務だけでなく経理一般事務にも精通したスタッフを雇用したり、税理士などの専門家の力を借りたりしないと解消できない問題となります。

また「容易には解散できないこと」も覚悟しておきましょう。

医療法人は地域医療の担い手であり、事業の永続性が求められます。

医療法人は個人的な理由での解散が認められず、解散には都道府県による許可が必要です。

個人事業主の開業医であれば廃業は容易ですが、一人医師医療法人の場合は他の医療法人と同様に容易に解散が認められないという覚悟が必要です。

一人医師医療法人設立で注意したい、経理上の変化

注意

個人事業主の開業医から一人医師医療法人へと法人成りした際に注意しておきたい、経理上の変化を紹介します。

まずは「繰越欠損金の取扱い」です。

個人事業主の開業医であれば、3年間繰越できるものですが、医療法人の場合は7年間まで繰越が可能です。

また「交際費の扱い」の変化は特に注意が必要です。

個人事業主の開業医であれば、取引先への接待などで支出した金額は全額が交際費として経費計上できますが、一人医師医療法人になると交際費に上限が設けられます。

基本的には医療法人になると、交際費は800万円までが経費として計上できます。

それ以上の交際費には法人税がかかりますので注意しましょう。

ただし、全ての飲食代が交際費として計上されるわけではない為、こちらも注意しましょう。

例えば、「一人当たりの飲食代が5,000円以下」の場合は、会議費として計上することが可能です。

会議費として計上できるように、領収書には日付以外にも、参加した方の名前や会社名や関係性等、人数、お店の場所や金額が明確にわかるようにしておきましょう。

個人事業主の開業医の頃のような調子での接待はできないので、真に業務遂行のために必要な接待に厳選する意識が必要でしょう。

尚、資本金が1億円を超える場合や、剰余金が増えて純資産で1億6700万を超える場合等は、交際費として1円も計上できない為、注意が必要です。

 

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